廃棄物の基礎知識

産業廃棄物の排出量の推移

 平成19年1月22日に環境省から発表済みの、「産業廃棄物の排出及び処理状況(平成16年度分)」によると

 日本で1年間に排出された産業廃棄物の量は、約4億トンでした。

 産業廃棄物の排出量は、平成8年度をピークに減少し続けていましたが、平成15年度から急に増加に転じています。

産業廃棄物排出量の推移.jpg


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posted by 尾上雅典 at 22:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 統計資料

これって産業廃棄物(リサイクルと廃棄物処理の境界線)

 また、見かけは廃棄物なのに、「廃棄物ではなく、製品だ」と、当事者が主張する場合があります。

 廃棄物処理法は、廃棄物にしか適用されない法律ですので、そのものが「製品」であるならば、製品の所有者が自由に売買または処分することが可能になりますが、それは、その製品が本当に製品としての価値を持つ場合だけです。

 製品か廃棄物かがわかりにくい場合には、そのものが、本当に製品として売買され、実際に原材料や燃料として使用されているのかを、よく判断しなければなりません。

そのとき、製品の価格以外に、「協力金」や「報奨金」などの名目で、販売価格以上の利益が「買主」に払い込まれるようなときは、売買を装った「廃棄物の処理委託」である疑いが濃厚となります。

 具体的にご説明すると、「廃棄物をリサイクルして作った製品」の値段が、1個1万円であるとします。

 しかし、そのものを1万円で買う人はいなかったので、買ってくれた人に、「報奨金」として5万円を上げるようになったとします。

 こうなると、「リサイクル製品」の販売者は、製品を売れば売るほど、4万円の赤字が膨らんでいきます。これは、リサイクル製品として考えた場合は赤字ですが、その赤字は、廃棄物の処理コストと同視することができます。

 以上のような3つの段階を踏んで判断すると、あるものが産業廃棄物に該当するかどうかを、確実に判断できるようになります。


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posted by 尾上雅典 at 22:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

これって産業廃棄物?(おから)

 次に、一般廃棄物と産業廃棄物の違いがわかりにくいものがありますので、なにが、一般廃棄物と産業廃棄物を分けているのかを理解しておく必要があります。

例えば、事業活動によって発生した「おから」は、産業廃棄物であるように思えますが、「食料品製造業」他の特定の業種から発生したおからは、産業廃棄物になりますが、飲食店から出たおからは、一般廃棄物になります。

一般廃棄物と産業廃棄物を区別する必要があるときは、産業廃棄物の具体的な定義(種類)を確認する必要があります。


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posted by 尾上雅典 at 19:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

これって産業廃棄物?(ガスまたは放射性物質)

 産業廃棄物の処理を委託、あるいは受託するとき、「これは不用な物だけど、果たして産業廃棄物になるのだろうか」と悩む場面がよくあります。

 そのようなときに役立つ、「産業廃棄物とはなにか」という解釈基準を、基礎から具体的にご説明します。

 まず、ガスなどの「気体」や、「放射性物質」は、不用物であっても、廃棄物にはなりません。これらのものは、最初から、廃棄物処理法の適用から除外され、特別な法律の下で、処分が進められることになります。

 「気体」や「放射性物質」は、廃棄物として処分できない ということです。


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posted by 尾上雅典 at 19:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

特別管理産業廃棄物とは

 「特別管理産業廃棄物」とは、爆発性、毒性、感染性などを有している産業廃棄物のことです。

 「特別管理産業廃棄物」の具体的な種類と内容については、下記の表のとおりです。

表 特別管理産業廃棄物の具体的な種類

種 類
内 容
(1) 廃油揮発油類、灯油類、軽油類(タールピッチ類等を除く)
(2) 廃酸著しい腐食性を有するもの(pH2.0以下のもの)
(3) 廃アルカリ著しい腐食性を有するもの(pH12.5以上のもの)
(4) 感染性産業廃棄物(*)病院、診療所、衛生検査所、介護老人保健施設などから発生した産業廃棄物のうち、感染性病原体が含まれる、または付着しているもの。実際には付着していなくても、そのおそれがある場合も感染性産業廃棄物として扱います。
(5) 特定有害産業廃棄物
 廃PCB等廃PCB(原液)及びPCBを含む廃油
PCB汚染物1.PCBが塗布された紙くず
2.PCBが染み込んだ汚泥、紙くず、木くず、繊維くず

3.PCBが付着し又は封入された廃プラスチック類、金属くず
4.PCBが付着した陶磁器くず、がれき類
PCB処理物廃PCB等又はPCB汚染物の処理物で一定濃度以上PCBを含むもの
指定下水汚泥重金属等を一定濃度以上含むもの
鉱さい 重金属等を一定濃度以上含むもの
廃石綿等1.建築物から除去した、飛散性の吹き付け石綿、石綿含有保温材 など

2.石綿の除去工事に用いられ、廃棄されたプラスチックシート 防じんマスクなど

3.大気汚染防止法の、特定粉じん発生施設において生じたものであって、集じん装置で集められた飛散性の石綿など
ばいじん又は燃え殻(*)重金属等及びダイオキシン類を一定濃度以上含むもの
廃油(*)有機塩素化合物等を含むもの
汚泥、廃酸又は廃アルカリ(*)重金属、有機塩素化合物、PCB、農薬、セレン、ダイオキシン類等を一定濃度以上含むもの
注  上記の廃棄物を処分するために処理したものも特別管理産業廃棄物になります

* 排出元の施設限定があります


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posted by 尾上雅典 at 15:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

産業廃棄物を判断する際の注意点

 「産業廃棄物とはなにか」で見たように、自分が取り扱おうとする産業廃棄物の種類を正確に把握しておくことは非常に重要です。

 そのためには、産業廃棄物の定義に対する理解が不可欠なのですが、その際に、はじめて産業廃棄物に接する人がつまずきやすいポイントがあります。

1 「産業廃棄物」=「事業活動によって生じた廃棄物」ですが、「事業活動によって生じた廃棄物」がすべて「産業廃棄物」になるわけではありません。

2 例えば、「産業廃棄物とはなにか」の、「紙くず」「木くず」「繊維くず」「動植物性残さ」「動物系固形不要物」「動物のふん尿」「動物の死体」の具体例の欄を見ていただくと、「建設業に係るものに限る」と、特定の業種限定があります。

3 そのため、造園業者が発生させた剪定枝は、「造園業」という事業活動に伴って発生した廃棄物ですが、造園業は「建設業」でも、「木製品製造業」でも、「パルプ製造業」でもないため、「木くず」すなわち産業廃棄物にはなりません(この場合、「剪定枝」は産業廃棄物ではない⇒一般廃棄物となります)。

4 このように、2の7つの産業廃棄物については、廃棄物の発生源が法律で定める特定の業種でなければ、事業活動によって生じた廃棄物であっても、産業廃棄物にはならないのです。

 発生源が特定の業種に限定される産業廃棄物のそれぞれの具体例は、下の表のとおりです。

表 業種限定がある産業廃棄物の具体例
産業廃棄物の種類業種(発生源がこの業種にあてはまると、産業廃棄物になります)具体例
紙くず建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)壁紙、障子、板紙 など
パルプ、紙、紙加工の製造業

新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業
印刷を失敗した紙、裁断くず など
木くず建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)柱 など
木材・木製品の製造業

パルプ製造業 輸入木材の卸売業
物品賃貸業

貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む)
パレット、おがくず、木切れ、チップくず など
繊維くず建設業(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る)畳、じゅうたん、カーテン など
繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く) 綿くず、糸くず、木綿くず など
動植物性残さ食料品製造業*、医薬品製造業、香料製造業貝殻、魚の骨、魚のあら、しょうゆかす、大豆かす、豆腐かす、薬草かす、発酵かす など
動物系固形不要物と畜業、食鳥処理業と畜場で処分した獣畜、食鳥処理場で処分した食鳥の固形状の不要物
動物のふん尿畜産農業牛、豚、馬、にわとりなどのふん尿
動物の死体畜産農業牛、豚、馬、にわとりなどの死体
*飲食店から発生した食べ残しや調理くずは、一般廃棄物になります。

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posted by 尾上雅典 at 13:05 | Comment(0) | TrackBack(1) | 廃棄物ってなに?

産業廃棄物とはなにか

 「一般廃棄物とはなにか」で見たように、廃棄物処理法は、具体的に一般廃棄物を定義していません。

 具体的には、「廃棄物」から「産業廃棄物」を取り去ったあとに残るものが「一般廃棄物」ということでした。

 では、産業廃棄物とはどんなものでしょうか。

 「産業廃棄物」は、全部で20種類あります。

 「産業廃棄物」の全20種類のうち、「汚泥」と「廃プラスチック類」の2つは、あてはまる廃棄物の範囲が非常に広くなっていますので、処理委託の契約やマニフェストを発行する際には、本当に「汚泥」や「廃プラスチック類」というくくり方で正しいかを慎重に判断するのが良いでしょう。

 実務では、「汚泥と廃油の混合物」といった、2種類以上の産業廃棄物が混じりあった状態で発生する場合もあり、産業廃棄物のどの種類になるのか判断に悩むことがよくあります。

 そういったときは、産業廃棄物の定義に立ち戻り、廃棄物の性状や発生状況などから、20種類の産業廃棄物のうち、どの種類にあてはまるかをじっくりと検討してみてください。

産業廃棄物の具体例



種類

具体的な例

(1) 燃え殻石炭がら、廃活性炭、産業廃棄物の焼却残灰・炉内掃出物 など
(集じん装置に捕捉されたものは、(19)ばいじんとして扱います。)
(2) 汚泥工場廃水等処理汚泥、各種製造業の製造工程で生じる泥状物、建設汚泥、下水道汚泥、浄水場汚泥 など
(3) 廃油廃潤滑油、廃洗浄油、廃切削油、廃燃料油、廃溶剤、タールピッチ類 など
(4) 廃酸廃硫酸、廃塩酸などのすべての酸性廃液
(5) 廃アルカリ廃ソーダ液などのすべてのアルカリ性廃液
(6) 廃プラスチック類合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど、固形状及び液状のすべての合成高分子系化合物
(7) *紙くず建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業に係るもの
PCBが塗布され又は染み込んだもの(全業種)
(8) *木くず建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
木材又は木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業に係るもの
PCBが染み込んだもの(全業種)
※平成20年4月1日より木くずに追加されるもの
・物品賃貸業に係るもの
・貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む)
(9) *繊維くず建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)
PCBが染み込んだもの(全業種)
(10) *動植物性残さ食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業において、原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
発酵かす、パンくず、おから、コーヒーかす、その他の原料かす など
(11) *動物系固形不要物と畜場で処分した獣畜、食鳥処理場で処理をした食鳥 など
(12) ゴムくず 天然ゴムくず 
(13) 金属くず研磨くず、切削くず、金属スクラップ など
(14) ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くずガラスくず、耐火レンガくず、陶磁器くず、セメント製造くず など
(15) 鉱さい高炉、転炉、電気炉等のスラグ、キューポラのノロ、不良鉱石 など
(16) 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物(「がれき類」)コンクリート破片(セメント、アスファルト)、レンガの破片 など
(17) *動物のふん尿畜産農業に係る動物のふん尿
(18) *動物の死体畜産農業に係る動物の死体
(19) ばいじんばい煙発生施設において発生するばいじんで、集じん施設によって集められたもの
(20) 産業廃棄物を処分するために処理したもの (政令第2条第13号廃棄物)産業廃棄物を処分するために処理したもので、(1)〜(19)のそれぞれに該当しないもの
コンクリート固形化物、灰の溶融固化物 など

*は、特定の業種の事業所から排出されるものに限定されます。


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posted by 尾上雅典 at 13:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

不法投棄解決例のデータベース化

 北海道新聞の報道によると、北海道大学大学院工学研究科の研究グループが、全国の不法投棄の解決事例を収集し、それをデータベース化する作業に着手した模様です。

 北海道新聞
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/54296.html


 
 これは、大変興味深い取組みだと思います。

 なぜなら、現在、不法投棄対策の成功事例といったものが、社会にまったく流通しておらず、「捨てられたゴミの処理方法」や、「ゴミの排出者への責任追及方法」といった、事後処理の方法しか流布していないからです。

 そのため、このデータベースが完成し、一般に公開されるようなことになれば、暗闇の中に灯る灯台のように、一つの明確な指針になることは間違いありません。

 ただし、肝心なのは、知識があっても、それを実行するかどうかは別問題だということです。

 特に、不法投棄対策の中心となるのは、都道府県などの行政です。

 行政自らが、「ゴミの捨て得を許さない」という姿勢を見せなければ、せっかくのデータベースが、「絵に描いた餅」で終わってしまいます。

 データベースによって得られる知識を武器として、不法投棄撲滅に向けた、行政の更なる取組みを期待したいところです。


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posted by 尾上雅典 at 10:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース

一般廃棄物とはなにか

 「一般廃棄物」とは、「産業廃棄物以外の廃棄物」のことです。

 これは廃棄物処理法を理解するうえでの重要なポイントの一つです。

 なぜなら、「産業廃棄物」の定義さえ理解できれば、「産業廃棄物ではない=一般廃棄物」と瞬時に判断できるようになるからです。

 産業廃棄物の定義については後述しますが、産業廃棄物の種類はわずか20種類しかありません。

 しかも、それぞれの種類は比較的外見から判別しやすいものばかりですので、一度理解してしまえば、その知識を実務ですぐに使えるようになります。


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posted by 尾上雅典 at 15:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物ってなに?

廃棄物処理法の構造

 廃棄物処理法は「5章、34条と附則」で構成されています。

 廃棄物処理法は、一般廃棄物に関する規定を、産業廃棄物にもあてはめていることが多くなっています。

 そのため、産業廃棄物に関する内容を知りたいときは、一般廃棄物と産業廃棄物の条文を両方見比べる必要があり、法律を学び始めた当初は条文の読解に苦労することがよくあります。

 こういった場合には、予備知識なしにいきなり法律の条文に当たるよりも、このブログなどで、産業廃棄物に関する基礎知識を身につけた後に法律の条文を確認する方が、効率的に読み進めることができます。


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posted by 尾上雅典 at 12:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 廃棄物処理法

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